梅雨しげし猫の居座る勝手口

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  • みのる:この勝手口はおそらく庭続きの厨のそれだと思う。外へ出して…と、ひと啼きすればいつも作者が勝手口を開けてくれることを家猫は知っているのだ。いつものように勝手口までやってきた彼(彼女?)を見て作者はそれと悟ったけれども降り止まぬ梅雨最中に放り出すわけにはいかない。諦めきれない様子の彼はうらめしそうにへたり込んで動かないのである。 - 2024/01/30(火)
  • 澄子:今日も梅雨真っ盛り……けっこうな雨量に 外に出たくても出かけられない猫に勝手口を占拠され 厨の動線を邪魔されつつも 猫を許容している作者の様子を思い浮かべました。犬や猫は低気圧に動きも少なくなりがち……うちで飼っていた犬は雨の日はよく寝ていました。梅雨の仄暗い感じがよく出てると思いました。 - 2024/01/30(火)
  • むべ:「居座る」という措辞から、猫は勝手口に長い間じっと座って、作者が出入りしづらい様子がわかります。外は雨がしとどに降っていて、家事もなかなかはかどりません。やれやれ、今日の雨は本降りだから、少しペースを落として過ごそうかな、そんな作者のつぶやきが聞こえてきそうです。日本の梅雨の持つアンニュイな雰囲気がよく表現されているように感じました。 - 2024/01/29(月)
  • かえる:ひときわ雨の多い梅雨で、猫も人もうんざりしているのでしょうね。勝手口は、よそ行きでなく家人専用の出入り口なので普段は猫もそこを愛用しているのでしょう。外に行きたいけれど、この匂いでは外は相も変わらぬ雨模様。やっぱり今日も家で寝てるか。勝手口で逡巡する猫の様子がユーモラスに浮かびます。 - 2024/01/29(月)
  • えいいち:梅雨入りしてよく降る雨には外に出るのも億劫になってきます。居座る猫は外に出られずに勝手口から降り続く雨をうらめしく眺めているのでしょうか、そんな作者の愛猫が勝手口の上がり框の上にちょこんと座っている後姿が目に浮かびます。作者は猫に「あらあらお前も外に出たいのかい、早く雨が止むとイイね。」と優しく語りかけているように思いますし、猫の姿に癒されてもいるのだと思います。勝手口は女性の城の厨の玄関なのだなと思います。 - 2024/01/29(月)
  • 康子:梅雨の中、猫は良い場所を見つけたんですね。勝手口なら誰にも邪魔されず雨にも濡れず。「居座る」とあるのでかなりの時間そこに居るのでしょう。作者はそれを見守り「もう〜猫に勝手口取られちゃったわ」と笑いながらそっと玄関から出掛けているのでしょうか。「梅雨のジメジメして嫌な気分を猫が和らげてくれたわ」と考えているのでしょう。「しげし」の措辞により、より一層それを感じます。「梅雨」という暗いイメージになりやすい季語が、まるで春のように明るいイメージの句に感じます。 - 2024/01/29(月)